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名菓アカデミズモとかわいそうな牛 このページをアンテナに追加

アカデミズモは、アカデミズムの裏庭。そこには亀たちが棲んでゐます。



もともとは「京都アカデメイア」スタッフのグループブログの一つということで始めたブログですが、現在は個人的な雑記として用いています。心にうつりゆくよしなしごと等を記録することとします。

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2011-01-02

年末に遠藤ミチロウをみた

| はてなブックマーク -  年末に遠藤ミチロウをみた - 名菓アカデミズモとかわいそうな牛

年末に、梅田で、遠藤ミチロウをみた。

還暦ライブだった。


ライブで見るのは初めてなのだが、遠藤ミチロウとの出会いはけっこう昔で、中学のころに本屋で立ち読みした『遠藤ミチロウ詩集』で、「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」という曲の詞に、なんだかわかんないが、すげー!! と思ったのだった。音でなくてことばから入ったのである。

バンドの名前が「スターリン」というのもなんかすごいとおもった。スターリンって、社会の授業でちらっと聴いただけだけど、悪い独裁者ですよと習っていたので。


で、今回も、きっと臓物とかが飛んでくるに違いないと予想して(注:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3#.E6.A6.82.E8.A6.81  を参照)、上着・荷物その他をすべて駅のコインロッカーに詰め込んで、臓物投げられてもいいシャツ(寒い)でライブハウスに駆けつけたところ、椅子が出ていたっ…。客は皆、もこもこした上着を着て座っていた。

今日は、アコースティック弾き語りヴァージョンなのだった……。

臓物飛ばないのだった……。


実物の遠藤ミチロウはずいぶん小柄で、また、喋ると非常に朴訥とした礼儀正しい方だった。

だが、曲が始まると、弾き語りとは思えぬ迫力でびびる。二曲目「電動コケシ」で既に落涙、さらに「お母さん、あなたのことは…」でマスカラが全部落ちる。ステージで煙草を一服した後(灰皿を持ってきたライブハウスの人にも丁寧にお礼を言ってらした)、寺山修司の詩につけた曲を数曲。アンコールでは、聴きたかった「父よあなたは偉かった」。すごくよかった。



それにしても、である。

ミチロウさんもMCで「皆さん、静かに聴いてますねぇ」と感心したように言ったが、たしかに皆、おとなしく聴いていた。わたしも、時折椅子を立ち上がり暴れたくなりながらも、基本うずうず座っていた。

ロックのライブといえど、観客の行動はかなりの程度環境によって規定されるのであって、椅子が出ていて皆座っている、というだけで、スタンディングのライブとはだいぶ趣が変わってくる。スターリン時代のパンクナンバーなどやると体を小刻みに動かしはするのだが、立ち上がってノる人やましてやダイブする人はいない。静かにしっとり聴く曲のときは、それでも違和感がないのだが、面白いと思ったのは、攻撃的な曲をやるときである。

たとえば、「やりたいか!そんなにやりたいか!?」という叫びから始まる「オデッセイSEX 2010」。スタンディングのライブであれば、観客が「ウオオオオ!」と拳振り上げて応えるはずだが、座ったままのわれわれは、「やりたいか!」と叫ばれても、「ぉ…、ぉぉ~」と戸惑い気味の細い歓声を返すのみ。

だが、ステージ上のミチロウは、固まったままの観客を前に、変わらず攻撃的な詞を弾丸のように撃ち込んでくる。詞の間には、ギャアアアアと甲高い叫びを上げつづける。その様子に、この人はことばと声の力をすごく信じている人なのだ、と感じると同時に、これは、狂ってる!と感じた。


だって、そうだよね。そのへんでふつうにそんな光景を見かけたら、たぶんそれは狂ってる光景であると思う。何かレスポンスするわけでもなくじっと座っている大勢を前に、たった一人で、ことばを投げ続け叫び続ける人。狂ってる!と思うと思う。

喧しい音楽をバックにしてのお祭り騒ぎの中でではなく、ギター一本のアコースティックライブであったがゆえに余計に、ロックのショーというものの性質、パフォーマー/観客たち という構図が浮き彫りになって、「カノン」という歌で歌われるこの詞が、今・ここ について歌われているものとして響いたのだった。

泳ぐことは頭をぶつけることだ

見ているアナタには痛さは分からないだろう




次回は臓物を投げられてきたいと思います。







おかあさん、頭がいいのはぼくのせいではないと自己主張する度に

宙ぶらりんの想像妊娠恐怖症からやっと立ち直った

女の下着にはいつも黄色いシミが付いていて

人種差別は性欲の根源であると公言してはばからない

アメリカの政治家の演説をうのみにしたようなすがすがしい朝の勃起

ベトナムのバナナのたたき売りを一目見ようと片手に自由の女神の電動コケシと片手に赤マムシドリンクをかかえこんだ農協のじじいが

かわいい孫娘のおみやげにと上野アメ横ではやりのジーンズを買い込んで

金を使い果たし

家族は運命共同体だと時代遅れの暴言を吐いて浮浪者になってしまったあげく殺されてしまった悲しい話を思い出してはみるのです

お元気ですか?


おかあさん、パンツのはけない留置場は寒いです

水洗便所の流す音がうるさくてなかなか寝つけないので

犯罪者はいつもこっそりセンズリをかくのですが

「おかげであなたの夢ばかり見る」と取調室でしゃべったら

刑事はさも嬉しそうに「親孝行しなけりゃいかん」と

昼メシにカツ丼をおごってくれたのですがタヌキウドンのほうが食べたくて

「父親は嫌いだ!」と言ったら自衛隊かぶれの隣りのヤクザ真紅になって怒り出し「ゼイタクは敵だ」などと勝手なことをほざいたので

「オマエなんか生まれてこなけりゃ良かったんだ!この貧乏人め!」

とつい口をすべらせてしまったのです

お元気ですか?


(「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」)


愛国幻想! 愛国戦争!


父よ、あなたは偉かった

ボクには一片のユートピアも残されてはいないのです

ナショナル勃起 ナショナル勃起

ナショナルキッドのオチンチン

ユーゴスラビア ユートピア

悪魔の描いたユートピア


(「父よ、あなたは偉かった」)

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